プロフィールにも書きましたが、私は障がい者チームとの関わりの中でたくさんのことを学びました。
仕事の性格上、チームのメンバーから相談を受けることは日常的に多々ありました。それは管理者という立場上大事な仕事のひとつで、特に、チーム構成はメンバーの半数以上がメンタルの障害でしたので、多くをそうした時間に費やしていました。
そうした経験も踏まえつつ、今日は脳科学的な視点から「男性脳・女性脳」の違いと、そこから生じるコミュニケーションギャップについて、最新の研究も参考にしながらご紹介したいと思います。
「男性脳・女性脳」の違いは本当にあるのか?
これはあくまで平均的、一般的な傾向ですが、男性脳と女性脳には以下のような違いがあるとも言われています。
- 男性脳:
- 論理的思考・問題解決志向
- 単一タスクに集中しやすい
- 空間認識力が高い
- 結論や目的を重視する傾向
- 女性脳:
- 共感力・言語能力が高い
- 感情の機微を読み取る力が強い
- マルチタスクが得意
- 話すことでストレスを発散する傾向
しかし、これはあくまで平均的な傾向であり、性別よりもむしろ個人差の方が大きいというのが最新の脳科学の見解のようです。
一例を挙げると、上記の例では男性の方が優れているとされている空間認識能力ですが、本社チームには空間認識に天才的な能力を発揮するある女性スタッフがいました。彼女は、約500名の事務系スタッフのデスクの配置を、座席マップを一瞥しただけで覚えてしまい驚かされたことがあります。彼女は発達障害の傾向があったのですが、座席マップを脳内に瞬時に、あたかもカメラで撮影するように写し取る能力を持っている印象を受けました。
発達障害者は、ときに常人がびっくりするような天才的な能力を発揮する場合があります。発明王・エジソンも天才物理学者・アインシュタインも、ともに発達障害の傾向があったとも言われています。
上記女性スタッフの例もあり「男性だからこう」「女性だからこう」と決めつけるのは危険で、実際には“脳のモザイク構造”と呼ばれるように、誰もが男性的・女性的な要素を混在させているのがリアルな姿のようです。
経験上のコミュニケーションスタイルの性差について
一方で、日々障がい者メンバーと接する中で面白いなぁと感じていたこともあります。
メンバー構成の男女比はほぼ同数で、障害の傾向もほぼ同じような割合でした。ところが、メンバーの方から相談を持ちかけてくるのは圧倒的に女性の方が多いのです。これは私の印象なのですが、男性の場合、個人的な問題を解決する際には「まずは自分で考えて自分で結論を出す“自己完結型”」のタイプが多いように思います。
私は男性を自認していますが、自分の人生を振り返ってみても、個人的な問題を人に相談するのは余程のことがない限りあまり記憶にはなく、相談する場合も、自分の中にある程度結論をイメージした上で、それを検証するために相談する(小難しいなぁ^^;)ことが多かったように思います。
また、職場は規模の大きい物流センター・大型倉庫で、自社の他にも10社以上の会社がテナントとして入っていて、食事や休憩の際のスペースは他社の皆さんと共有していました。そこでも、もともと女性の多い職場ではあるものの、休憩中に世間話をしながら和気あいあいコミュニケーションをとっているのは圧倒的に女性グループの方が多いのです。
そうした経験を踏まえると、やはり男性(脳)と女性(脳)との間に、特にコミュニケーションスタイルという点からは明らかな相違があるようにも感じていました。共感力・言語能力という点では、あくまで一般論ですが、女性の方が勝っている印象はありますよね。
コミュニケーションギャップの原因と実例
私が、女性との間のプライベートなコミュニケーションの際に反省することは、「で、結論は?」という発想になってしまいがちな点です。これは、まさに男性脳の“問題解決志向”が表れたものですよね^^ゞ しかし女性脳は「共感してもらうこと」自体が目的である場合が多く、話の中に結論がなくても「気持ちを共有すること」が重要だとも言われています。
そこを踏まえ、仕事の上では、カウンセリングのキホン「傾聴」という点に意識を注ぎ「まずは話を聞く」ことを最優先しました。もちろん何らかのアドバイスをすることはあるのですが、それはあくまで二次的なことで、逆に、面談を始める際には、問題を解決したりアドバイスをしたりという意識はあえて持たないようにしていました。それが仕事だと上手くできるんだけどねぇ〜^^;
より良いコミュニケーションのためのスタンス
男女の間のすれ違いは、脳の「とっさの反応」の違いによるものとも考えられています。男性は、狩猟で生きていた時代のDNAが記憶しているのでしょうか?とっさに「守るためのアドバイス」をする傾向があるようです。それに対して女性は「共感してもらって安心したい」という傾向があるようです。
男女の間のコミュニケーションにおいて、特に男性を自認する私が、特に「とっさの反応」の際の反省を踏まえて心がけたいところは;
- 共感の言葉を先に添える:「それは大変だったね」「つらかったね」とまず受け止める
- 結論を急がない:話の流れを楽しむ余裕を持つ
- 「聞く姿勢」を見せる:うなずきや相槌で「あなたの話に興味がある」と伝える
といったところでしょうか。ん、もっと他にもありそうだなぁ・・・。
🌈 まとめ
「男性脳・女性脳」の違いは、たしかに平均的な傾向として存在するものの、一方で、それを絶対視するのではなく「違いを理解し、尊重する」ことが大切なのかもしれませんね。どんな話でも否定せず、まずは「受け止める」という姿勢が信頼を育て「心理的な安心感」を生むのでしょうね。
男女間のコミュニケーションに限らず「双方の違いは摩擦ではなく補完関係」だと考えれば、それぞれの強みを活かすことでより豊かな関係性が築けますよね!「脳の構造上の違いを楽しむ」って余裕を持ちたいものです^^


