世界一のチームメンバーに、ありがとう!(2)

もうひとつ大切にした生々しいこと

私が障がい者チームを運営するにあたって、実は(1)で書いたことの他にもうひとつ重要視したことがあります。それは「会社や社会に対する貢献」ということでした。しかし、この考え方は、障がい者チームの在り方という視点では、あるいは違和感をもって受け取られるかもしれません。

障がい者というと、一般的には「守られるべき存在」という見方、見られ方が一般的だと思います。もちろん、メンバーはそれぞれが障害をもっているわけですから一定の配慮が必要なのは当然のことです。しかし、彼・彼女たちが真の意味でやりがいや充実感、達成感を感じられるのは、守られながらも、同時に「会社や社会に貢献している。頼られている!」という実感だと思います。

その意味で、チーム運営にあたっては、障がい者チームも営利企業の中の一員として当然のこと、生産性や効率、コスト意識といった生々しいことも常に意識していました。もちろん、それを彼・彼女たちに面と向かって要求することはなく、あくまで管理者としての内に秘めた思いでしたが。

しかし、そうした生々しい思いが通じたかのように、彼・彼女たちは実際に目覚ましい結果を出し、誇らしい数字を残しました! その事実は、彼・彼女たちにとっては大きな自信と矜恃きょうじになっているものと確信します。チームは、会社から頼りにされ、感謝される存在にまでに成長しました。まさしく「奇跡のチーム」と言っても過言ではないと思います。

侍ジャパンの優勝で思ったこと

話は飛躍しますが、ワールドベースボールクラシック・2023での日本チームの優勝に日本中が歓喜しました。私もそのひとりでした。その歓喜の中で私がフト思ったことは「侍ジャパンの優勝もすごいけれど、わが北柏チーム1も自分(=私・kaz)の中では文句なしの世界一だよね!」ってことでした。

2016年、リオオリンピックの年に「最強の障がい者チーム」をめざして船出したチームは、その後名実ともに「最強のチーム2」になり、2023年WBCの年には、私の中で「世界一のチーム!」にまで登り詰めました!!

ありがとう!!

仕事人生の終盤(まだ私の仕事人生は終わっていません^^)に北柏チームの皆に出会えたことは本当に幸せでした。皆のことを心の底から誇らしく思います。

北柏チーム14名一人ひとりと、陰ながら支えてくださった皆さんに、心からの、ありったけの感謝を捧げたいと思います。ありがとうございました!!

それともうひとつ。北柏チームのメンバーとともに過ごした10年間であらためて実感したこと。それは、覚醒を深めると人に恵まれ、ツキにも恵まれるという事実でした。


  1. チームはJR常磐線の北柏駅近くの物流センター(倉庫)が勤務地で北柏チームと呼ばれています。 ↩︎
  2. 当初は、私の中でも「障がい者チーム」という認識でしたが、センター内の他社の健常者(障害者に対し、障害のない一般の人の呼び方)チームのパフォーマンスと比べても遜色がないため、私の中ではあえて障がい者チームと呼ぶ必要はなくなり「最強のチーム」という意識になりました。
    真の意味でのバリアフリー社会実現のためには、そもそも障がい者と健常者という見方は必要ないのかもしれません。事実、私自身は健常者でしたが、日々の仕事の中で彼・彼女たちの障害を特段意識することはなく、もちろん一定の配慮はしたものの、力を抜いて(手は抜きませんでしたが^^;)仕事に臨んでいたように思います。 ↩︎